2021年3月11日。東日本大地震から10年が経ちました。
今回は僕がボランティアに行った時の事をお話したいと思います。
当時働いていた美容室のオーナーが有志を募り、近隣の美容師や関係者数名とレンタカーで向かった先は宮城県山元町。
高速を走っている限りでは、被災の状況などはあまり感じられませんでした。
役場に行くとベテランのボランティアリーダーの下にグループに分けられ、それぞれ撤去先が振り分けられます。
僕らに付いてくれたリーダーは震災直後から各地を廻っているそうで、現地の様子などを色々と話してくれました。
ライトバンで撤去先に向かうのですが海に近くなるにつれて徐々に瓦礫が増え、壊れた家も多くなっていきます。
着いた先は田んぼに囲まれた老夫婦が住む2階建の一軒家でした。
周りはまるで空襲にでもあったかのような有り様です。

山元町ホームページより
家のお父さんからやって欲しい事を告げられ、僕らはそれぞれ分担を決めて動きます。
まずは前半分(!)が庭に斜めに埋もれた車をどかす作業です。
パーキングブレーキを下げみんなで押したり引いたりしながら何とか道路まで動かしました。
道路には方々に瓦礫や車などと共に赤い旗や青い旗がさしてあります。
赤い旗は自衛隊に撤去してもらいたいもの、青い旗はまだ使うものなど意味があるそうです。
お父さんはもう使えなくなった車に赤い旗を刺していました。
そのあとはリビングにあった泥まみれのピアノの撤去。
3人でも死ぬほど重い…でも4人だと持ち辛い…
それでも何とか道路まで運び出しました。
その時のお母さんは何だか最初から素っ気ない感じで、まるで僕らの事を信用していないようでした。
大物を撤去したあとは庭にある大量の瓦礫撤去と家の中の掃除です。
家の壁には僕の背丈よりも高い水の跡がクッキリと残っていて、津波の壮絶さを物語っていました。
泥だらけの家具や棚をきれいにし、床を磨き、窓を掃除し…
あまりにもやる事がありすぎてとにかく必死でした。
そんな僕らの姿を見てからか、素っ気なかったお母さんが僕らにお茶を出してくれたり色々話しかけたりしてくれるようになりました。
休憩の時間に震災の日のことを話してくれました。
お母さんはその日、向かいの奥さんと世間話をしてる時に地震がきたそうです。
尋常じゃない揺れに驚き急いで家に戻り、犬達(お母さんは元々ブリーダーをやっていたそうです)を2階に避難させているときに津波がやってきました。
2階のベランダからものすごい量の水と瓦礫と共に、魚が泳いでいるのが見えたそうです。
あまりに突然の事で全部の犬を助けることが出来なかったことが悔やまれると言ってました。
そしてさっきまで話していた向かいの奥さんは津波に流されて亡くなったそうです…
僕らが美容師だと聞いて、お母さんは泥だらけの犬用のハサミを持ってきて見せてくれました。
こうやって大事な物も思い出の品も何もかも泥にまみれてしまっているのを見ると、辛くて悲しくていたたまれない気持ちになりました。
ボランティアは17時までと決まっているので、出来うる限り最後まで一生懸命にやりました。
庭にあった大量の瓦礫、半分埋もれた車、泥だらけのピアノとキッチン、家具、床…
ありとあらゆるところをきれいにしました。
最後に家を見たお母さんは「わー、夢見たい…」と言ってくれました。
それでも元通りとは程遠いのに…
あんなに素っ気なかったお母さんが泣きながら僕らに何度も何度も感謝の言葉を言ってくれました。
帰りの車を泣きながら見送ってくれたお母さんの姿は一生忘れられません。
少しでも助けになれただろうか?
もっと何か出来なかっただろうか?
今でもよくお母さんのことを思い出します。
山元町には計2回ボランティアへ行きました。
このような経験をさせてくれた当時のオーナーや先輩方には本当に感謝しかありません。
もう記憶はだいぶ薄れているけれど、またいつか訪問して復興した姿を見たいと思います。
できればお母さんの家にも…
さて、おかげさまでフタハは4月で2周年となります。

必死だった1年目、コロナに振り回された2年目。
まだたったの2年、そしてこの先もまだまだ大変なこともあるでしょう。
でも今日まで支えてくださったお客さま、取引先や関係者の方々、毎日楽しく一緒に働いてくれる仲間、そして家族…
沢山のかたの支えがあって今があると思っています!
これからも精進して、10年・20年と続けてまいりたいと思います!
どうぞよろしくお願いいたします!!
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